2012年、イギリス人画家「ハンナ・デール」は1匹の野ウサギを描き、1枚のグリーティングカードを作ります。このたった1枚カードから、後に年間1億6千万枚を売り上げ、世界中で5,800店舗を構える国際的ギフトブランド「レンデール・デザイン」は始まりました。
英国、イングランド東部に位置するノースリンカーシャー。北はハンバー川河口、南はトレント川沿いの肥沃な農村地帯であるこの地で生まれたハンナは、学校で美術を学び、ケンブリッジ大学で動物学を専攻、その後ロンドンで株式仲買人としてのキャリアを積みました。そんな彼女に2008年、転機が訪れました。世界金融危機、所謂リーマンショックで当時務めていた会社から解雇を余儀なくされてしまいます。
実家に戻った彼女は、地元で農場を営むジャックと結婚、可愛い子供たちにも恵まれます。大都会でのキャリアウーマン生活から一転、窓から見えるのは美しい田園風景と野生の動物たち。穏やかな時間を家族と過ごしていた彼女は、ある日庭にいた1匹の野ウサギからインスピレーションを得ます。
自宅のキッチンでウサギを描き上げた彼女は、その絵をグリーティングカードにしたところ、地元で大きな反響を得る事となります。夫のジャックと「レンデール・デザイン」を創立すると、やがてブランドは年間800万ポンド(日本円で約15億)を売り上げるほどの企業へと成長します。
創業当初から細部へのこだわりと品質、そして持続可能性を大切に製品を作り続ける「レンデール・デザイン」は、現在も世界中でベストセラーを続けています。